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股関節ペルテス病ではないグロインペイン症候群

股関節の痛み 股関節のお悩み

FIRST VIEW

ご来院時の様子

小学生高学年の男の子がお父さんに連れられてご来院されました。

昨日夕方キャッチボールをしていたら、突然足が痛いと苦しみ出ししばらく動けない程になったといいます。

今までにこんなことは無かったとのことで、ご家族も大変心配されているご様子でした。

CHIROPRACTIC VIEW

カイロプラクティック評価

痛みの場所が股関節辺りとのことで、小学生高学年くらいの年齢に好発するいくつかの股関節障害を検討する必要があると考えました。

単純性股関節炎、大腿骨頭辷り症、ペルテス病、化膿性股関節炎、先天性股関節脱臼などです。これらの疾患・障害の際に認められやすい兆候や検査を確認した上で、必要あらば整形外科への紹介を優先すべきとも考えておきました。

この男の子は痛みで泣いていることもなく、股関節の可動域もほぼ正常に保たれており、股関節のチェックテストでも特別問題は見当たりませんでした。

さらに、痛みの箇所を細かく聞き確認すると、股関節の辺りと表現されつつも、痛みは股関節の最も内側(鼡径部)に限局した痛みで、その部位を押したり、鼡径部の筋肉を伸長させるように足を動かすと、痛みが股関節の外側まで広がるという現象にあることが判明しました。

真っ黒に焼けた肌、着ているTシャツには「MESSI」の文字。尋ねてみると少年サッカークラブに所属しているとのことでした。原因は、昨日のキャッチボールではなく、日頃のサッカーのようです。

MANAGEMENT

マネジメント

軸となる足首・膝・股関節へつながる連動的な捻じれを相乗的に開放していきました。

筋肉は非常に柔らかくそれだけに鼡径部に付着をもつ内転筋群はその腱性部分で大きなストレスを受けていたようです。

サッカー競技者に散見される鼡径部の痛みを鼡径部痛症候群(グロインペイン症候群)といいます。多くはインサイドキックのフォームにストレスに原因があるとされていますが、 個人的にはボールにカーブをかける際に生じる股関節の外側から内側への回転に加え、足を大きく振り上げるようなフォームの選手に起こりやすいものと推測しています。

PROGRESS

経過

初回当日の治療で痛みは解消したようです。翌日からまた元気に夏休みを満喫しているとのお電話を頂きました。いつかプロサッカー選手になって活躍する姿が見たいですね。

子供の股関節周囲の症状に関しては、特に構造的な異常を抱えているケースも多く、慎重な判断が必要です。風邪をひいたり発熱をした後から股関節に水が貯まることもありますし、未発達な股関節の中で骨頭部分が成長線に沿って骨折することもあります。

ご家族の方々も、自己判断せずに専門医もしくはカイロプラクターにご相談ください。

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