FIRST VIEW
ご来院時の様子
30代男性、プロのウインタースポーツ競技者の方がご来院されました。
お悩みは膝の痛みで十分なパフォーマンスができずに練習もままならない状況とのこと。
数年前に競技中に膝の半月板を痛め内視鏡手術を受けたそうです。術後、痛みが治ることはなく、半月板を失った精神的なダメージも大きいとの胸中を明かして下さいました。
何とか今からでも改善できる可能性はないかとご相談に来られました。
CHIROPRACTIC VIEW
カイロプラクティック評価
痛みの場所は主に膝の後ろ側と膝の内側に限局しており、立位姿勢において手術をした側の膝の反跳状態が確認できました。
反跳膝とは膝が通常よりも後ろに反り返っている状態です。半月板という膝の緩衝材を失った結果とも考えられますし、術後のケア不足で周囲の筋肉のバランスの崩れからこのような反跳状態を呈している可能性も考えられました。
膝は前方から後方への滑りが増大し、その最終域では「それ以上押されると膝が外れそう」という動揺性感覚がありました。
幸い膝の関節液の貯留などはなく、浮腫(むくみ)も生じていない様子でしたが、膝を伸ばした時のストッパーが効かない動揺性を如何に回復できるかが最大のポイントになると考えました。
MANAGEMENT
マネジメント
膝関節は特に、股関節と筋肉を共有し同じく足首と筋肉を共有して成り立っています。
さらにその共有の形態には特徴があり、すべてが直線的なつながりではなく立体的な捻じれを元来から持っていることで、人間は三次元的な複雑な動きを可能にしてます。 この理論を治療に応用すべく、足首と股関節が膝関節に対してどのような回転ストレスを生じているのかを多角的に観察しそれを立体的に復元させていく治療を行いました。
最終的には膝関節自体には一切タッチせず間接的にアプローチを試みました。
PROGRESS
経過
初回から3回の治療を中4日のペースで実施しました。初回後は痛みが半減、2回目の後は朝のウォーキングができるように、3回目にはゆっくりランニングをしても大丈夫なところまで回復しました。
それから数回の治療を定期的に重ね、現在では冬季のトレーニングに向けて山登りやサーキットトレーニングを行うことができています。年齢的にもそろそろ結果を出したいとのこと。
半月板摘出の経緯があった為、治療には膝関節周囲の筋肉と関節運動に対するリハビリテーションを平行していきました。また競技の際は必ず適切な専用サポーターを着用していただいています
カイロプラクティックの治療に併せてこのようなスポーツ障害への応用も大切なポイントとなります。